俺だけが知るお姫様


「いいよ。その代わり、名前が分からなかったら俺に何かしてね。」


自信たっぷりに言う彼は、まるで絶対分かるはずがないと言うようだ。

「明日、さっそく友達に聞いてみます。絶対に名前当ててみせますから!」


「頑張って。」

他人事のように言うクロ先輩は、本を読み始める。

私も先輩の向かい側の椅子に座って本を開いた。