俺だけが知るお姫様


それから三日後の放課後。

いつものように私は図書室へと入る。


するとそこには

「あ、咲ちゃん。いらっしゃい。」

笑顔で私を迎えてくれるクロ先輩がいた。


「こんにちは! 今日も来たんですか?」

彼はあれから毎日、放課後になるとここに来ている。一人で寂しい気持ちもあったから嫌とかは思わないけど…………



「うん、咲ちゃんに会いたかったから。」


サラッとこんなことを前触れもなく、甘いフェイスで言ってくるから心臓がもたなくなりそうで。