扉のある方をじっと見ていると、本棚の後ろには人影が。
「だ………誰?」
勇気を出して、問いかけてみる。
そして、現れた人は………
「こんにちは。」
にっこりと笑顔を浮かべるその人は、昼休みに廊下でぶつかった相手だった。
「あっ!あの時の……………ぶつかってすみませんでした!」
「いや、いいよ。俺だって悪かったんだから。頭あげて?」
そう優しく言う彼を見上げると、相変わらず微笑んでいた。
やっぱりカッコいい……………
スラッとした体型。長い足。小さな顔。くっきりとした二重に長いまつげ。
本当に王子様みたいだ。こんな人がこの学校にいたなんて、全然知らなかった。

