俺だけが知るお姫様


藤森君とお客さんたちの席を離れて


「あ、ありがとう藤森君。私、連絡先交換しちゃダメなの知らなくって......」


「そんな決まりあるわけねーだろ。」


「え?」


ないの?じゃあさっき藤森君が言ってたのって何?



「...いいか宮川。そんな決まりはないけど、次連絡先聞かれたら俺がさっき言ったように答えろよ。姫野が心配するからな。」


「え..う、うん、分かった。」



「咲っ...!大丈夫!?何もされてない?ごめんね、手助けできなくて。」


「ゆりちゃん。大丈夫だよ、藤森君が...」


「じゃ、俺先に戻るからな。お前らも早く戻れよ。」



「あ、藤森君ありがとう!」


「裕介!......ありがとう。」


ゆりちゃんが呼び止めると藤森君は足を止めて振り返り笑顔で言った。


「姫野、お前が一番死にそうな顔してたぞ。人の心配してないで自分の心配してろ、バーカ。」


そう言って、クラスのみんながいるほうへと戻っていった。