夏休みも文化祭の準備をしている間に気づいたら終わっているような感じだった。それでも、文化祭の準備は大変ながらにとても楽しかった。


クロ先輩とはテストが終わってからあまり会えていなかったりする。文化祭の準備期間中に校内ですれ違うことはあったが、忙しそうだったため一言交わしたり、会釈をするくらいだった。


なにより.........


先輩の周りには常に綺麗な2、3年生の女の子たちがいた。


「王子、看板作ってるんだけどあとで見に来てほしいなぁ」


「王子荷物運ぶの手伝ってほしいんだけどいいかなぁ?」



先輩と一緒にいるピアスをつけたおしゃれな男の先輩が

「いいよいいよ~、後でこいつと行くから待っててね~。」

と笑顔で答えて、周りの女の子たちが黄色い歓声をあげている場面をよく見かけた気がする。


「なんなのあれ......」とゆりちゃんはその光景をどうでも良さそうに呆れて見ていたから私はフフッと笑った。


でも.........



ここ最近図書室にも行けてないし、先輩とも話せてないからなんだか寂しいなぁ.........


そんな考えがほんの一瞬、頭をよぎった気がした。