中学最後の夏休み
サッカー部だったあたしはまだこの頃両親が選んでくれた男性としての性別で学校へ通っていました。

サッカーも大会で負け
受験だけの生活に入る事にわずかながら抵抗し、他の刺激を求めてうわついて過ごしてたんだ。


あたしの住む町は海岸近くで夏には沢山の県外ナンバーの車でごった返す有名な観光地なんだけど。

この小さな町からあまり出た事のないあたしには夏はとっても刺激にあふれていたんだ。

でも小さい頃から女子のような顔と体系だったから裸で海に入いる事が少なくなってきたな。


今日は鎌倉花火大会。

この日は好きな子をデートに誘ったりする絶好の日。
ジモトではそんなイベントだったんだ。

そんないつにも増した浮ついた日。
海にひとりで日焼けしに行ってた時に声かけられたんだ。

『おーい。サッカー部負けたって?』

同級生の声。

『ほっとけ!
それより今日鎌倉花火行くの?』

真っ暗に日に焼けたこのトモダチ。
名前はユウジ。
気合いの入ったヤンキー。
何度か補導もされてるこいつ。
やけにあたしとは意気投合してるんだなぁ。

『花火なんていいべもー。
それよか渋谷行くべーよ』

恥ずかしながら都内はあまり行った事がなかったからその誘いは確かに刺激的で魅力的だった。

でもコイツと行動すっと
ろくな目にあわなそう(笑)
でもヒマだし行ってみんのもおもしろそーだなあ。


『ちょい一回帰ってから着替えてからでもいいか?』って答えて藤沢駅での待ち合わせ時間を決めて別れた。