翌日の朝起きて外を見ると曇り空でいかにも雨が降りそうだった。
「傘持って行ったほうがいいな。」
誠は残念に思ったが、娘達が朝からワイワイ騒いでいたので、すぐに気を取り戻した。
すぐに身支度を行い、いざ車に4人乗り出発した。あいかわらずさゆりの身支度が一番遅かった。
 雨が降りそうだったか、遊園地へ行く道は意外と空いていた。時折窓に水滴がついたが本格的に雨が降る事はなかった。せめてこのままの天気が続いたら…。誠は雨が降らないようにと願いながら、快調に車を飛ばした。
 美香が後部座席から顔を覗かせて話してきた。
「ねぇ、パパどこに行くの?」
誠はここまで来たらと思い、話した。
「美香達が行きたかった遊園地だよ。雨降りそうだけど、今日はいっぱい遊ぼう。」
美香達はその言葉を聞き、とても嬉しく言った。
「やったー。遊園地だ。パパ本当にありがとう。やったー。やったー。」
隣にいる理奈も大喜び、座席の上でボンボンと跳ねる。
「理奈。危ないからちゃんと座りなさい。」
さゆりは理奈に何度か注意をして、やっと落ち着いた。それほど娘達は遊園地を待っていたのだと思うと誠も嬉しくなった。