遊園地へ行く日までは仕事を頑張った。いつも日課になっていたナベとの飲みも回数を減らした。ナベには事情を説明したら快く受け入れてくれた。無駄な出費を減らし、宝くじが当たるという神社にも何度かお参りに行った。自分のやるべき事はできる限りしようとした。
その間娘美香からも何度か遊園地への話があったがばれないようにとまた今度と言って来た。次女理奈も美香にならって行きたいと言ってきたが、これも同じ対応をした。二人とも顔をプクっと膨らませていたが、仕方ない事だ。もうすぐ夢がかなう日がくるのだから。


 遊園地へ行く日前日娘二人に明日はどこかへ行こうと切り出した。娘二人は喜んでどこに行くの?と聞いてきたが、着いてからのお楽しみと話した。二人とも顔を向け合って喜び、明日の為に早く寝ると言って、寝室へ向かった。
 リビングで寝る前にさゆりと少し話した。
「明日天気晴れるかな?」
「どうだろう。最近台風も近付いているって言ってるし、わからないよ。」
さゆりはテレビのチャンネルをパチパチと変え、言った。
「遊園地だから晴れた方がいっぱい乗り物乗れるからな。娘達も喜んでいたし。俺も早いが寝るか。さゆりももう寝るか?」
「ううん。もうちょっと起きとく。明日の準備もあるしね。お休みなさい。」
「そうか。お休み。」
 誠は寝室へ向かった。遊園地は久しぶりで大人になったとはいえ楽しかった。何よりも娘達の笑顔をみることが最高だった。最高の場所で最高の笑顔が見れる。これほど幸せな事はなかった。宝くじの想いもはせながら寝る事にした。