「あれ!?鈴木部長。なんかきりっとしてますね。」

後輩のナベが朝から声をかけてきた。

「そうか。いつも以上にネクタイをまっすぐにしてきたからかな。」

清々しい社内の朝の雰囲気。誠のパソコン画面もピカピカになっている。

 誠は以前課長だったが、遊園地へ行って以来伸び伸びと仕事をする事が出来、

その評価が社長に行きとどき、部長に昇進した。

誠はお金が増えたから頑張ろうと思ったのではなかった。

人間的に伸び伸びと仕事をする事が社内、社長に認められ、成長する事が出来た。


今まで以上に「人生」を実感して生きている気がする。

結局宝くじは当たらなかったが、

それ以上に大切な事を神様は教えてくれた。

冷めたコーヒーも飲む事はなくなった。

自然と笑顔が増え、社員とも触れ合う事が多くなった。

社員を愛する事、家族を愛する事がどれほど大切か分かったような気がした。

人生はここからだ。

誠は拳をぎゅっと握り、パソコン電源を入れた。

パソコンの横には家族の写真が飾ってある。

みんな笑顔だ。


これからも笑顔を大切にし続けよう。


そう誠は誓った。