「狂人とは人狼の味方です。
が、村人を殺す能力はありません。
嘘を吐いて村人を惑わすことが主な仕 事です。
ちなみに占われても村人と表示されま す」
占いが効かないなんてずるい。
でも、村人を殺せない部分だけはいいのかもしれない。
殺す能力を持っているのは人狼だけで十分だ。
「それでは午後8時に投票を開始します。
投票とは人狼と思わしき人物を殺すこと です。」
―――え?
私達は村人なのに、結局人殺しをしなければいけないの?
頭の中が真っ黒く塗りつぶされていくような気持ち。
人殺しなんて無理だ。
「と言っても、その手で人狼と思わしき人物を殺めるわけではありません。
選挙のように紙に怪しい人物の名前を書いてテーブルの中心に置いてある箱に投票するだけです。
紙は部屋で書いてきてください。
これで説明は終わりです。
ここからは余談になりますが、このヘッドホンとスマホは娯楽にも使えます。
それでは健闘を祈ります。」
ブツリと嫌な音がして電源が切れた。
皆も数秒違えど、それぞれヘッドホンを外した。
不安げに辺りを見回す人、俯いて目を合わせないようにする人。
いろんな人がいる。
―――最初の投票まで残り2時間。

