―――え?

誰だろう、この人たち。


私の周りには13個の顔、顔、顔。


きっと疲れてるんだ。


見ず知らずの人とテーブルを囲むなんてありえない。



心を落ち着かせるために目をぎゅっと瞑り深呼吸してする。


1、2、3。


目を閉じながらゆっくり3つ数える。


半ば祈るような気持ちでそっと目を開いた。



―――ああ。


飛び込んできた景色は3秒前と何一つ変わっていなかった。


大きな丸い木製のテーブルを囲んで座る13人の男女。

それぞれの前に置かれたシンプルなスマホとヘッドホン。


そしてテーブルの上に置かれた白い箱と無機質な時計。


思わず絶望感に苛まれた。