「あ、部長さんだ。」

「ほんとだー、ほんと、地味だよなー。」

「俺あんなの絶対彼女にしたくねぇよ。」


私だって!誰が、あんた達みたいなやつなんかと!


廊下を歩くだけでこの仕打ち。
一体私が何をしたというのだろうか。


メガネに、他の人より長めのスカート。
あまり整えない髪の毛は適当に結んでいるだけだ。


私、明音美咲は地味女と言うたぐいである。


だからと言って私は何も悲しくはない。
それなりに友達はいるし(学校は違うけど)、文芸部の部長も努めている(部員は自分も含め2人)。


だけど…。


「うわぁっ…!!」

派手にこけた。
メガネががしゃんと、音を立てる。

何もないところでこけるのだけは恥ずかしい。
クスクスと周りから笑い声が聞こえる。

その時一際大きな声が頭上から聞こえてきた。

「…だーーーーっさっ。」

「?」

顔をあげた時私に見えたのはそっくりな顔の金髪三人組だった。