終わらない七月九日

「じゃあ早く行かないとね!!」

私は二人を連れて、急いで教室を出た。少しでも早く、ケーキ屋より離れた場所へ行きたかったのだ。

「ねぇ、ナツは公園で何したいの?」

とりあえず今はあのことを考えないようにしよう。

「ただボケーとする。」

「それだけ?!」

「逆に何したいの?光も公園行きたいんだろ?」

「う~ん、あそこの公園大きいからなぁ。色々遊びたいかも…。」

そうすれば気も紛れる気がした。

「光は子どもみたいで可愛いね!」

大ちゃんは嬉しそうだ。

「そうそうコイツはガキなんだよ。」

「ナツウザいんだけど!!」

おちょくってくるナツに反論する私、そのやり取りを見て笑う大ちゃん。当たり前だった光景だけど、私は三人一緒にいることが不思議な感覚でいた。ナツが生きている。私は自分の頬をつねってみた。