終わらない七月九日

「本当だ、今日九日だね。」

私はナツのスマホに伸ばした手を引っ込めた。
心臓が早く波打ってるのが分かった。信じられない。あれは夢なんかじゃない。じゃあ今が夢?それとも全部夢?訳が分からなくなってきた。

「なんか難しそうな顔してるけど大丈夫?」

大ちゃんが顔を覗いてきた。

「うん…平気…。」

「とりあえず今日で試験終わりだし、気分転換でこの後どっか行こうっか?」

大ちゃんはニコニコしながら聞いてきた。

「あ、えっと…。」