終わらない七月九日

「あっ今日は七月九日だわ。」

ナツが自分のスマホを見ながら言った。

「ほら。」

そう言って私に見せたスマホの画面には、七月九日と書かれた文字があった。

「え…。」

私はちゃんと見ようと、ナツのスマホを左手で取ろうとして気がついた。

私の左腕に時計がある。タクシーで勝手に着けて、取れなくなったあの腕時計だ。