終わらない七月九日

「お母さん…なんのこと?」

自分の中の記憶を必死に辿ってみた。

「記憶がないの?」

「うんと…。」

頭を巡らせているとだんだんと思い出してきた。

「…ケーキ屋さんにいたら…車が私たちの方に突っ込んできたような気がするんだけど、確か…。」

「そうよ?覚えてない?」

なんだか怖い。

「…その後どうなったの?」

「それで…その後光たちは事故にあったの。」

「…そうなんだ。」

嫌な予感がした。