終わらない七月九日

「光?!光!!」

「…ん。」

頭がボーとしている。

「光起きたの?!ねぇ!!」

光が眩しくて瞼をゆっくり開けた。

「…お母さん?」

「光!お母さんが分かる?良かった、本当に良かった!!」

声がする方を向くと母親がいた。目を濡らし赤く腫らしているのが分かった。

「ここは?」

「病院よ!光は今病院にいるのよ!」

そうか、どうやら病院のベッドの上で寝ているみたいだ。
右の方に目をやると夕日が窓から容赦なく射し込んでいる。だから眩しかったのか。

「光、光も辛いだろうね…あんなことがあってね…でも無事で良かったよ。」

母親の言葉が理解出来ない。