僕の隣には、いつもリリーがいた。

僕がふと、隣を見るとリリーはにこっと笑って返すんだ。

僕もつられて笑う。

不思議に思ったことがぽつんとできた。

「ねえ、リリー」

「なあに、エド」

「どうしてリリーは、いつも僕の隣にいるの?」

嫌味などではなく、極々普通に疑問に思ったのだ。

するリリーは別段責め立てるような様子もなく、いつものように笑って言った。

「だって、エドはリリーと離れるのは嫌でしょう?」

確かに、と子供ながらに思ったものだ。

こう、リリーは続けた。

「指切り、しましょう。大きくなってもリリーはエドの隣に、エドはリリーの隣にいられるように。」

僕は頷いて、指切りを交わした。