私の後ろを付けてきた人がいた。
スーパーの店頭にあるアイスクリームショップで、私を見ていた人だと思う。
イヤな印象のない、寧ろ好感度の男性。
のはずだった……
でも少しずつ恐怖に変わっていく。
(私と同じように相澤隼さんのファンに違いない。きっと隼のことを詳しく聞きたいんだ)
それでも私はそう思うことにした。
「あの、私に何か用ですか?」
太鼓橋を渡る手前で、私は遂に振り返った。
「いや、君じゃないんだ……」
「やっぱり。もしかしたら隼のこと聞きたいの?」
私はその時、少し嬉しくなっていた。
隼の魅力を誰かと語りたかったんだ。
「隼? やっぱり彼、相澤隼さんだったんだ」
「だとしたら?」
隼の名前を出してしまったことに少し焦っていた。
もし週刊誌や何処かの記者だったらヤバいと思っていたからだ。
でも心うらはら、私は敢えて強気に出ていた。
「いや……ただ、相澤さんの彼女のことが心配で」
「彼女って、隼に恋人が居たの?」
ショックだった。
本当は私、隼の初めての彼女になりたかったんだ。
「良く二人でバイクで出掛けていたよ。あの日だって……」
「あの日?」
「相澤さんがマンションの何処に住んでいるかなんて知らないからあのアイスクリームショップの前で待っていたんだ」
「それ、ストーカーしたってこと? 立派な犯罪ですよ。あっ……」
私は思い出していた。
私と同じゆうかさんのことを……
「もしかしたら……結夏さん?」
「えっ、彼女ゆうかさんって言うんだ」
「結夏さんなら亡くなりました。確かストーカーに乱暴されって聞きましたが……アナタだったのですか?」
「えっ!? 亡くなったのですか? いや、それは俺じゃない。本当に俺は何もしていない。ただ彼女を守ってやろうとしただけなんだ」
「守るって?」
「彼女の後を付けていた人がいたんだ。だから彼女急いで此処を渡ったんだ」
そう言いながら結夏さんのストーカーは太鼓橋を渡り始めた。
スーパーの店頭にあるアイスクリームショップで、私を見ていた人だと思う。
イヤな印象のない、寧ろ好感度の男性。
のはずだった……
でも少しずつ恐怖に変わっていく。
(私と同じように相澤隼さんのファンに違いない。きっと隼のことを詳しく聞きたいんだ)
それでも私はそう思うことにした。
「あの、私に何か用ですか?」
太鼓橋を渡る手前で、私は遂に振り返った。
「いや、君じゃないんだ……」
「やっぱり。もしかしたら隼のこと聞きたいの?」
私はその時、少し嬉しくなっていた。
隼の魅力を誰かと語りたかったんだ。
「隼? やっぱり彼、相澤隼さんだったんだ」
「だとしたら?」
隼の名前を出してしまったことに少し焦っていた。
もし週刊誌や何処かの記者だったらヤバいと思っていたからだ。
でも心うらはら、私は敢えて強気に出ていた。
「いや……ただ、相澤さんの彼女のことが心配で」
「彼女って、隼に恋人が居たの?」
ショックだった。
本当は私、隼の初めての彼女になりたかったんだ。
「良く二人でバイクで出掛けていたよ。あの日だって……」
「あの日?」
「相澤さんがマンションの何処に住んでいるかなんて知らないからあのアイスクリームショップの前で待っていたんだ」
「それ、ストーカーしたってこと? 立派な犯罪ですよ。あっ……」
私は思い出していた。
私と同じゆうかさんのことを……
「もしかしたら……結夏さん?」
「えっ、彼女ゆうかさんって言うんだ」
「結夏さんなら亡くなりました。確かストーカーに乱暴されって聞きましたが……アナタだったのですか?」
「えっ!? 亡くなったのですか? いや、それは俺じゃない。本当に俺は何もしていない。ただ彼女を守ってやろうとしただけなんだ」
「守るって?」
「彼女の後を付けていた人がいたんだ。だから彼女急いで此処を渡ったんだ」
そう言いながら結夏さんのストーカーは太鼓橋を渡り始めた。