「で、君が、北山で良かった?」


この人は、あたしのことも分からずに声を掛けたのだろうか?


「、、、はい」

「北山、1つ言って置く」


そう言うと、先生の視線が、顔から下に下がる。


あたしは、そんな先生の様子を伺う。


「ネクタイだと、男できねぇぞ」


そう、真顔で言う。


「は、、、?」


この人は真面目な顔をして、何を言っているんだろう。


「ここではネクタイ付けてると、男持ちだと思われるぞ」

「はぁ、、、」

「だから、男欲しいならリボンにしろよ?じゃ、教室行くか」


先生は椅子から立ち上がり、職員室を出て行く。


普通、、、そんなことより、もっと他に話すことがあるんじゃないんだろうか?


ここでは先生にも、普通が通じないようだ。