あんまり話したことがないから、『こなっちゃん』って呼ばれるのは納得がいかない。


ヘラリと笑う井瀬と目が合う。


軽いというかなんというか。



そんな井瀬の前に無表情の爽が立ちはだかる。



「てめえには関係ねえだろ!?」



ぶっきらぼうに言う爽のイライラスイッチは、一体どこで入るんだろう。



人にとやかく言われるのが嫌なのかな?


この前もしんちゃんに怒ってたし。


すぐに機嫌が悪くなるからビクビクしちゃうんだけど。



その起伏の激しさ


どうにかならないの?



「行くぞ」



「えっ!?いや、あのっ……!」



だから、ケーキをっ……!



「食って帰るんだろ?」



「えっ?」



機嫌が悪いかと思ったのに、意外にも爽はあっけらかんとしていた。