「おせーし」



冷たい声が耳に届いてヒヤッとさせられる。


こんな派手なナリをしてるあたしだけど、実は小心者なんだ。



頑張って一緒に帰れないって言え、あたし!



「あ、今日は、ケ、ケーキッ食べて……!」



「あ!?」



ひぃ!


な、なんでそんな目で見るの?


こ、こわっ!



蛇に睨まれたカエルのように、身動き一つ取れなくなったあたし。



「い、いや……だからそのっ……ケーキ、を……」



奈子達と食べて帰りたいんスけど……。



さっきまでの勢いはすでになく、最後まで言えなかった。