「マジで使えねーわ、お前」
桐谷の嫌味にいちいち反応してたら身が持たない。
ムシムシ。
その日の授業中、しんちゃんからメッセージが届いた。
『桐谷と付き合ってるって噂が出回ってるけど、本当なのか?』
出来れば知られたくなかった、しんちゃんには。
例えフリだとしても、桐谷と付き合ってるだなんて。
本当のことはもちろん言えない。
正義感の強いしんちゃんのことだから、女子よけのための彼女になったなんて知ったら、桐谷に突っかかって行くだろう。
フリをしてるあたしに対しても、絶対にいい顔をしないということがわかるから。
胸の奥が押し潰されそうなほど痛い。
しんちゃんには
しんちゃんだけには
知られたくなかったよ。
『うん、ホントだよ』
ウソにウソを塗り重ねて行く。
ごめんね。
ごめんなさい……。
しんちゃんが知ってるあたしは、もうどこにもいないね。
いつからかな。
こんなに溝ができたのは。



