ちょっと勇気を出すことで、爽の色んな想いを知ることが出来た。



ちょっとの勇気。


背中を押してくれる人がいたからこそ、あたしは素直になることが出来た。



少し勇気を出すだけで、ちょっとずつ何かが変わって行く。



今日、勇気を出してみて良かった。



「小夏」



「ん?」



心からホントにそう思う。



「今度はニセじゃなくて……ホントのカノジョになってくれんだろ?」



爽は相変わらず無愛想だったけど、



でも、恥ずかしそうに頬を赤らめながら、真剣な顔付きをしている。



あたしは、そんな爽の瞳を満面の笑みで見つめ返した。





「もちろんだよ!」





そして、ギュッと自分からその胸に抱き付いた。








【fin】