真央は緊張しながらも、なんとか井瀬と仲良くなろうと必死。



いつもよりかしこまった真央の声を聞いて、ムフフッと思わず笑ってしまう。



……恋する乙女って感じで、幸せそう。



「え〜、真央ちゃん彼氏いないんだ?可愛いから、絶対いると思ってた」



「え、いないよぉ?か、可愛いだなんて……ありがとぅ」



「いやいや、マジで可愛いって!な、爽!お前もそう思うだろ?」



ドキン



井瀬の口から爽の名前が出たことで、一気に心拍数が上がって行く。



いけないと思っていても、寝たふりをしながら聞き耳を立てた。



まぁ……隣の席だし?


聞こえて来るんだから仕方ないじゃん。


なんて開き直ってみる。



ソワソワしながら爽の返事を待った。



「俺は別に」



いつものように無愛想な声が聞こえてドキッとする。