……はぁ。


頭や胸にあるのは爽のことばっかり。



もう怒ってないって言われたハズなのに、理由を考えてた時よりも頭に浮かぶ。



胸が締め付けられて苦しくて、考えただけで頬や全身が火照って来る。



……焦がれるこの気持ち。


やり場のない


持って行きようのないこの想い。



あたし……爽のことが。



ピタッ



「ひゃあ!」



突然背後から手が伸びて来て、頬にひんやりしたモノが当てられた。



ビックリして思わず叫んでしまい、確認しようと辺りをキョロキョロ見回す。



な、なに……!?


誰?



風に乗って揺れる、ふわりとした黒髪が少しだけ見えた。



「し、しんちゃん……?」



「正解」



ニコッと微笑みながら、あたしの前に回り込んだしんちゃんの手には、お茶のペットボトルが握られていた。



「体調悪いんだって?寝不足?」



少し離れて腰を下ろすと、しんちゃんはお茶をあたしに向かって差し出した。