「理由もわかんねえくせに、適当に謝んなよ」



「…………っ」



もっともだ。


ホントにその通り。


謝れば許してもらえるって、そう思ってた。


甘かったのかな……?


爽はいつも優しいから


甘えてたんだ。



「な、なんで……怒ってる、の?」



「ハハッ、マジでわかんねえの?鈍臭いにも程があんだろ」



乾いた笑いが聞こえたかと思うと、顎を持たれてクイッと上を向かされた。



真剣な爽の瞳と視線が重なる。



ドッドッドッドッと耳に聞こえる大きな鼓動。



至近距離でこんな風に見つめられて、平然としていられるワケがない。



「そんくらい、自分で考えろよ」