おぼつかない足取りでエレベーターの方へ歩き出した時、背後からまた井瀬の声が聞こえた。 「爽の部屋は俺らと同じだから、903号室だよ」 「は、はぁ……!?」 誰もそんなことは聞いてないし。 思わず足を止めて振り返る。 井瀬はイタズラッ子のように口角を上げて笑っていた。 「行ってみれば〜?気になってるんでしょ?」 「し、知らない!」 なんだか気持ちを見透かされているのが気に入らない。