「美味しいのにねぇ」



「ねー!」



あたしはそんな奈子を尻目にグミんチョを口に放り込んだ。



グミの甘酸っぱさと、チョコの甘さが口いっぱいに広がる。



「うーん、うまっ」



満面の笑みでそう言うと、斜め前に座っていた爽の顔がこっちを向いた。



クスッと笑う爽と目が合って、ドキリと胸が高鳴る。



ううっ、なんなんだよー。


もう!


やめてよ、そんな不意打ち。



「な、なにっ?」



「ぷっ、別に」



意味深に笑った後、爽は前を向き直した。


そして肘掛けに肘を付いて、手の上に頬を乗せて寝始める。



なんなのよ、一体。


もー!