不思議と嫌な感情は湧いて来なくて。


しんちゃんの反応に、くすぐったい気持ちで胸が満たされる。



なんでだろう……?


前までのあたしなら、立ち直れないほど傷付いていたハズなのに。



なぜか頭に浮かぶのは、爽のぶっきらぼうな笑顔。


プイとそっぽを向いてしまう姿。


ほんのり色付いたピンク色の頬。



それを思い出して、胸の奥がキューッと締め付けられる。



な、なんなの……?


ホントに。


ありえないんだけど。



気付かないフリをして、頭をブンブン振った。



も、もう、考えないようにしよう。