だって、ホントにそんなんじゃないもん。
あたしが好きなのは
しんちゃんなんだから。
「し、しんちゃんは美雨とどうなの？」
前までのあたしなら絶対にそんなことは口にしなかった。
だけど、あたしだけ恥ずかしい思いをさせられたのが気に食わないっていうか。
「俺？別に普通だよ」
気まずそうに視線を右往左往させて、ポッと頬を赤らめるしんちゃんに笑みが零れる。
「普通ってナニよ、普通って！」
一番わかりにくいよ！
「い、いいだろ。俺のことは別に！」
知らなかった。
しんちゃんって、美雨のことになるとこんな風に照れるんだ。
