現場を見ていなくても、声を聞いているだけで緊迫した様子が伝わって来る。 胸の奥が締め付けられて苦しい。 爽にまで迷惑をかけてしまっていることが、本当に申し訳なかった。 「ああ!?聞こえねーんだよ!」 バンッ 大きな音が聞こえて、思わず体がビクッとなった。 どうやら爽が力まかせにドアをグーで叩いたようだ。 「いいか?次に小夏に手ぇ出したら、こんなモンじゃ済まさねぇからな」 「……ハ、ハィ……」 消え入りそうなくらい弱々しい野崎さんの声が聞こえて、なんだかちょっと哀れに思えた。