ガタッ
爽がイスから立ち上がるのが気配でわかった。
黙ったまま外へ出て行こうとする爽の手を慌てて引っ張る。
「ど、どこ行くの……!?」
涙を引っ込めて、明らかにムッとしている爽に声をかけた。
「どこってあいつらに」
「い、いいよ!やめて」
爽の顔を見ながら切実に訴える。
「離せよ。んなこと言われて黙ってられっか」
いとも簡単にあたしの手から逃れた爽は、その願いも虚しくどんどんドアの方へ歩いて行く。
「お前はここにいろ。絶対出てくんな」
ぶっきらぼうにそれだけ言い残すと、爽は空き教室のドアを勢い良く開けて廊下に出た。



