爽の横顔は明らかに不機嫌そうで、それ以上声をかけるのがためらわれる。 それほど、しんちゃんのことが嫌いなの? どうしてそこまで嫌っているのか、あたしにはわからない。 だけど、理由もなく人を嫌ったりしないだろうから、もしかしたら何かあったのかも。 うーん。 わからない。 「ね、ねぇ……!どこ行くの?」 駅ビルの中に入って、どんどん進む爽に声をかける。 しんちゃんの姿は、もうとっくに見えなくなっていた。