「桐谷君、なんだったのぉ?」 真央が駆け寄って来て、下から上目遣いであたしを見上げる。 う、可愛い……。 潤んだその瞳、反則だよ。 それだけで癒やされて、さっきのことがスーッと消えて行く。 「あ、うん。なんか授業でもらったプリントを失くしたから、コピらせてくれって言われただけ」 タニリキの息子だとバレるのを嫌がっていたから、ホントのことが言えなかった。 真央には、悪気もなくポロッと言っちゃう癖があるから。