「当たり前だよぉ。他に誰がいるっていうのぉ?ほら、行った行った!」
「う、うん。だよね」
あたししかいないよね。
爽は今でも相変わらずクラスでは一匹狼だし。
最近になってやっと、真央と挨拶を交わすくらいになったもんね。
無愛想だから、まだみんなから恐がられてるし。
慌てて立ち上がって爽の後を追った。
肩からカバンを下げて、ダルそうに歩くその後ろ姿を見てクスッと笑みが零れる。
制服のズボンを腰で履いて、裾が床にすれている。
肩幅の広いがっしりとした背中。
こうして見ると問題児にしか見えないけど、中身を知ると全然違うってことがわかった。