その手の温もりに安心感が胸いっぱいに広がる。
温かい、爽の手。
……人の、温もり。
それがこんなにも胸に染みるなんて。
ファンデーションを塗るようにウソを積み重ねていった分厚い心に、じんわりとした優しさが注ぎ込まれる。
ゆっくりゆっくり薄くすり減って、本来の心を取り戻していくかのようだった。
「しんちゃんが……ぐすっ、好きだよぉ……っ。爽の言う通り……っ告りたい、けど……」
勇気が出ない。
だったら、このままでいい。
でも……前にも進みたい。
たくさんの葛藤が胸に渦めく。
「好きなんだ……よぉ。っ、ひっく」
涙と鼻水でいっぱいの顔を、ブラウスの袖でゴシゴシこする。
ファンデーションが取れたモノと、マスカラやアイラインと思われる黒い染みがブラウスに付いた。



