しんちゃんに対する気持ち。 それだけじゃない。 この涙は……。 ホントは……。 「小夏も座れよ」 大きな木の下にあるベンチの前まで来ると、爽はあたしの腕を離してドカッとそこに座った。 「…………」 黙ったまま、少し距離を保ってちょこんと座る。 心地良い春風がスルッと通り抜けていく。 それはまるで 傷付いたあたしの心を優しく撫でるようだった。