扉一枚隔てた向こう側で繰り広げられるナニかに、晶と彰那は思わず顔を見合わせた。 自分の耳がおかしいのかとも思うが、2人しておかしい筈がない。 ならば、この会話の意味するものは……。 考えたくもない可能性──『咲都と春親がデキている説』が急浮上して、晶はよろよろと床に膝を突いた。 「咲都と、神宮くんが……まさか、ウソだろ」 「静かにしろ! 聞こえねぇだろ!」 幾らか顔色の悪い彰那が小さく吠えるの同時に、向こう側から物音がした。