サムビアル王国は四季は殆どなく、春のような穏やかな気温が続く国だ。
しかし海には面さず周りの国に囲まれるサムビアル王国は自国で育つ作物と共に豊かな国を作り上げた。

外国から少しばかり輸入される魚は高級品。ましてや生魚など、口にしたことの無い者の方が多いだろう。

その魚を模したお菓子などが人々の口に届けられていた。
そんな魚を1人もくもくと食らう男。

サムビアル王国創立者の孫、アーディ・サムビアル。
漆黒の髪は彼の透き通るような肌を一層映えさせる。

容姿端麗、文武両道。

産まれた時から、選ばれた人間だった。