気付けば薄暗い霧が行く手を阻む………。 先行く大明神は足をとめるまでもなく サクサクと前進する背中を見失わないよう必死で後をおいかけた。 「こっち…だよ……。」 濃い霧におおわれて時に見失う浅葱誠の背中に添えられた近藤珠希の手の温もりが伝わってきた。 「あ………ありがとう…。」 恥ずかしさも心ぼそさもあってか霧の中を手を取り合い前を見失わないように歩き出す。 「近藤さんは…怖くないの?」 ひんやりともどんよりともする濃厚な霧のなかを前ゆく霞がちな大明神様の背中をおう。