―――浅葱くん…!!!
頭の中に…近藤珠樹の声が降り注ぎ無償に胸が騒いだ。
「よし…!!! できた‼ 」
酒粕と酒でまぜた大明神様から抱いた有難い薬で作った薬酒を竹筒の水筒につめ終わり親父さんから最後の一貫を受けとる。
「とりあえずあるだけのうちに残っていた酒も混ぜたから…!!」
「わかりました。いろいろありがとうございました。」
深々とお辞儀をして微笑むとはにかんだ笑顔を浮かべ両腕にぶらさがった竹筒を指した。
「よろしく頼むよ!」
「まかせてください!」
普段ならそんな強気な発言なんて浮かんでもこないのに近藤さんの親父さまの言葉に素直に頷いた。
踵を返した時竹筒がぶつかり合いカランと音をたてた。
とにかくこれを心の中で唱えながら大明神様の待つ蔵を目指した。

