『土方大明神』



それを見た近藤珠樹は胸に抱いた木箱ごと化物の側に寄り添った。



「なにやってんだ!! 」



慌てて近藤珠樹の肩を後ろから掴んだ大明神と…絶妙なタイミングで近藤珠樹の持つ木箱をつかみ空へと放り投げた。


ーーーーざわざわざわざわざわざわざわわ………………。



空へと放り投げられた木箱の呪符が蔵の屋根瓦に当り破けた木箱から日本刀が姿を現すとともに不気味な音が闇とともに近付いてきた。



「あんたはとにかく家の中へと入ってろ!
俺がカタをつける‼」



それだけ言い残して大明神様はひょいと蔵の屋根瓦めがけて身を翻してすぐさま構えた。