「だいぶひどくやられたんですね…。 その腕ではしばらく道場を続けていくのは無理そうですね。」 素人目にもわかるくらい鮮血が新たに着物を染めていく様をみた。 「お見苦しい限りで……。 まさかあのような姿の物の怪に成り代わろうとは…………。 私もまだまだ未熟ですね…。」 「いやあ……僧の修業者かよっぽどの霊媒師じゃない限りたいていの人はみんな同じだと思いますよ。」 天然なのか…近藤さんの親父さんは腕の傷を憎らしげに見つめてやりきれなく呟いた。