そのまま古い蔵の扉を押したりひいたりして無我夢中で開く前方に木造の箱を抱えた近藤さんと馬鹿デカイ得体のしれない化け物が向い合わせ口から尖る牙が無気味に暗闇で光った。
「近藤さん!!」
「浅葱くん!!」
この間みた化け物とは比較にならないほどの体格をした化け物を前に思わず見上げつつその先の彼女の名を叫んでいた。
それと同時に重たい首をゆっくりと傾けて化け物はこちらを凝視して唸った。
(――――ドウシヨウ………………。)
体の向きをゆっくりと転換させ大きく開いた口からダラダラと得体の知れない唾液を垂らして唸りをあげる。

