『土方大明神』



土方大明神様は舌打ちをした。


「先陣はてめえが務めろ!」



認めてもらえたのかどうかはわからないがいきなりベラボーな江戸っ子なまりの言葉で先を促してきたので俺はいやといえず先を歩き近藤さんの門のインターホンを押した。



しばらくして何も音沙汰もないので再度インターホンを襲うと手を伸ばしたらいきなり門が少しだけあいて昼間あった近藤さんのお父さんが片腕から血を流しながら俺の手を握る、


「珠希さんの親父さん!!

だ…大丈夫ですか?」

近藤珠希の父親を慌てて支えるその手をしっかりと握りおやじさんは縋るように訴えた。