みんな動きを合わせて激しく何度も太い木刀を居合いで空をきる様を目の当たりにする…。 神妙で厳正な張り詰めた空気の中師範代の声に従い木刀を震い落とすその様子の中に黒い煤のようにゆらりと無気味な何かが揺らめいているように見えた。 (なんだ……?? 今の………??) 慌てて浅葱誠は目をこすりその様子を見つめた…。 何かが――ぎゅっ……と誠の腕の裾を掴んだ感覚に俺は飛び上がるように正直驚きゆっくりその腕の先を確かめた。