昔読んだ本に書いてあった
「親は我が子を捨てずに愛し続けてくれる優しい存在」
だと…じゃあ現に親がいない私はどうなるの?…


私は幼い頃両親を亡くした…
その時からだろうか…心臓が止まってしまってるんではないかと思い始めたのは…。
私は時々自分の心臓が停止してるんではないかと思ってしまう。いや…両親がいなくなった日から、私の心は停止してしまったのかもしれない。
こんな外見だからか…私はいじめにあっている。それはそれは昭和じみたいじめだ。そうだな…いじめを受けているのに何も感じなのはやはり私の心が停止しているからなのだろうか。でも 私は一つの感情だけをまだ持っている。悲しみや全てはなくなった…なのにこの「憎しみ」だけは消えない。
私を置いて行った両親への憎しみが…。
いつものように靴の中に入った画鋲を出していると
「うわw 何それ…いまだにそんなことするやついるんだな…ほぇー…。」
と言いながら私の肩のあたりに顔を出してきた。
「うわっ!。」
「えっ!?。」
「えっ!?はこちらのセリフだ…普段驚きもしない自分が驚きおまけにあんな大きな声まで出して自分で自分の声に驚いた自分に驚いたよ…。」
クスッ
イラッ
「っ…何がおかしいんだ!。」
「え…?…あぁいや 君がそんなに喋る子だとは思わなくて…いつも遠くから見てたんだけど…いつも死人のような顔していたから、君の新しい顔が見れて嬉しいなって!」
ニコッ
「っ…!」
「…あれ?どうしたの?…。」
顔が熱くて爆発しそうになった。
なんで私の驚いた顔を見ただけであんな笑顔を私に向けるんだ。なんなんだあいつは…
その日からあいつは毎日のように私に話しかけてくるようになった。
いじめは無くならなかったけどあいつが喋りかけてくることがいつの日か楽しみになってた。
でも私はあの日を忘れていた…父と母の命日を…ああ…私は何を楽しんでいるのだいつの日か憎しみを忘れていた…
「あれ?どうしたの…泣きそうな顔して?いじめまだ終わらない?。」
「……え?。」
泣きそうな顔…?
すぐそこにある鏡が今の私の顔を指差すかのように私の顔を映し出す。
酷い顔だ…なんでこんな顔…
「はは……なんで泣きそうなんだ!私はあの二人が憎い!あの二人は私を置いて行った!私を捨てたんだ!憎い!私から感情を!…。」
スッ
あいつがそっと私を抱きしめた。
「…は!?…なっ…んだよ…離してよ!。」
「離さない…。」
ドキッ
「な…なんなんだよおおおおお…なんでいっつもいっつも私に笑いかけてくるんだよおお…。」
堪えてた涙がボロボロと流れ出してきた
「いつも君は…寂しそうだから…僕が支えてあげたくて…。」
「両親を憎んでる最低な奴なんだぞ?…。」
「そうかな?…ふふ…僕には君が両親がいなくなってしまって寂しいって言ってるように聞こえたよ。それと君は感情がないはずない!だって君は僕の前では怒ったり恥ずかしがったり笑ったりいまだって泣いてる…こんなに百面相の君が感情がないはずないだろ?僕は君を置いて行ったりなんかしないよ…絶対…」
「…馬鹿じゃないの…何言ってんのよ!…」
ああ いつからだろうか…自分の心臓が停止してるって思わなくなったのは…いつの間にあいつに…気にくわないけど…再生ボタンを押されてたんだね。
ポソッ
「…好きだよ…。」
ニコッ
「っ…今のは反則だよぉ…。」
「いしし////////何が反則なの?。」
ニヤニヤ
「姫さまにはお手上げです…w」





「ママ〜…ママ〜?…。」
「ん?…あれ…?ママ寝てた!?。」
「うん…ママ〜?…。」
「んー?…。」
「なんで泣いてるの…?どこか痛いの?大丈夫?。」
「え?…えぇ 大丈夫よ!…ちょっと昔の夢見ちゃったわ…。」
「……ぱ…パパの夢…?。」
「えぇ…パパにも置いてかれちゃった…。」
「…ぼ…僕はママを置いて行ったりなんかしないよ!絶対だよ!。」
「っ……。」
ニコッ
ナデナデ
「ふふ…ありが…とう…。」
あぁ…寂しいなぁ…

でもあなたが置いて行ってくれた一つの命がまたあなたのように一人の人を支えれるような人に心の強い人にこの子を私は育て上げます。

END