その日の夜、僕は家に着くなり急いでパソコンのスイッチを入れた。

数年前のパソコンは起動が遅く、苛立ちを感じた僕は携帯のボイスレコーダーに次々と浮かんでくる歌詞とメロディを吹き込んだ。


それが終わったとき、パソコンはようやく電源が入り、僕はソフトを立ち上げた。


今すぐにでも、この歌を彼女に聴かせたかった。
聴かせたところで、英語の分からない彼女は首を傾げるだろう。

それでよかった。

この歌詞の意味を、君には知らないで欲しいから。