いつものように信子は図書室へとやって来た。






「よく図書室来るね」






誰もいないと思っていた図書室でふいに後ろから声をかけられ驚いた信子はおもわず借りていた本をその場に落としてしまった。






「あ・・・あの」






落とした本を拾い、渡してくれた少年に信子は戸惑った。







いじめの原因になったせいか信子は軽い男性不信になっていたからだ。






「急に話しかけてごめんね」






「い・・・いえ」








その少年は優しく微笑むと信子に語りかけた。







「僕、病気がちであんまり人と話さないからよかったら話し相手になってくれないかな?」






「え・・・」







それが信子の悲劇の始まりだった。